髙瀬内科クリニック

髙瀬内科クリニック

髙瀬内科クリニック

症例 | CASE 01

心不全の症例

運動中の息切れをきっかけに、心不全が見つかったケース

「最近、いつもの散歩でも息切れが強い」

そのような変化をきっかけに受診された方の症例です。

症例概要

80 歳代・男性

以前から高血圧を指摘されており、内服治療を受けていましたが、血圧は 160mmHg 前後の日が続いていました。

普段から運動習慣があり、毎日 40 分ほど散歩をされていましたが、1 週間ほど前から、いつもの散歩でも強い息切れを感じるようになり、当院を受診されました。

検査

胸部レントゲン検査

通常時と心不全発症時の胸部レントゲン

胸部レントゲンでは、通常に比べて心臓が大きく見えており、心拡大が認められました。

また、本来は黒く見える肺に白い影が広がっており、肺うっ血と両側の胸水貯留も確認されました。

心不全の悪循環

心不全は、心臓機能が低下することで血液循環が上手くできていない状態を示します。

心不全の悪循環

心臓が全身に十分な血液を送り出せない状態になると、全身では血液が不足します。すると体は血液中の水分を補おうとし、水分を欲しがるようになります。その結果、尿の量が減り、飲水量が増えることで、全身の浮腫がますます進行します。

特に肺では水分がたまりやすいため、息切れを感じる頻度が増えていきます。さらに心臓は、体内に蓄積された水分をうまく循環させられないため、血液循環が一層悪化し、負の連鎖(悪循環)に陥ってしまいます。

この症例は当院で施行した心臓超音波検査で、心臓のポンプ機能が低下し血液を送り出すことがスムーズにできていないことがわかりました。

診断とその後

検査の結果、うっ血性心不全と診断しました。

心不全の治療は心臓機能が低下しているかを調べることが大事です。心臓機能が低下している原因に準じて治療は変わりますが、水分の貯留が顕著であれば利尿をする薬剤を使うことが多いです。

この患者さんは、利尿剤で体に貯まった水分を減らし、病院で原因精査を行うこととなりました。

心不全の経過

心不全の経過

心不全はこの図のように、徐々に年齢ともに進むことが多いです。特に図のように、一度発症すると治療により回復したように見えても、心臓機能は少しずつ低下し最終的には死亡に至ります。そのため、まずは心不全を発症しないかが大切であり、心不全を発症してしまった後は、心不全の原因にあった治療を行い悪化させないことが大切です。

心不全を悪化させないためのポイント

心不全を悪化させないための3つのポイント:内服薬の継続、日々の体調管理、適度な運動

1. 内服薬をきちんと継続する

循環器の治療では、一般的に内服薬の種類が多くなります。血液の循環を安定させるためには、複数の薬剤を適切な量で継続することが大切です。また、日々の状態に合わせて薬の量を調整する場合もあります。

自己判断で薬を中断すると、心不全が悪化することが非常に多いため、薬を減量したり中止したりする場合は、必ず医師に相談してください。

2. 日々の体調を管理する

心不全が悪化すると、呼吸困難感やむくみを感じる前に、血圧や脈拍、特に体重の変化に気づくことが多いです。

特に、1〜3日での急な体重増加や、脈拍の急激な変化は、血液循環が悪化しているサインです。

日々の体調管理を続けることで、重症化する前に異変を発見し、早めに治療へつなげられる可能性が高まり、結果として心臓機能の低下を抑えやすくなります。

3. 適度に運動する

心臓は状態が悪い時、安静が必要になります。一方で、運動をまったくしない状態が続くと、体調の変化に対応しにくくなり、心臓機能が低下することがあります。

運動制限がない場合は、少しずつ運動を取り入れ、心臓機能を維持することが効果的です。

必要な運動量は個人によって異なりますが、一般的にはウォーキングを30〜40分程度、週3〜4回行うのが理想的とされています。

ただし、適切な運動量はご本人の状態により変わりますので、運動に不安がある方は医師に相談してください。

患者さんと一緒に進める心不全治療

心不全の危険性があると診断された場合、患者さんご本人と私たちが一緒に治療を進めていくことが大切です。

心不全治療では、日々の自己管理を土台にして、心臓の機能や体調の変化を評価し、その結果に基づいて適切なお薬や生活習慣を提案していく――この循環を継続することが非常に重要です。

当院では、この取り組みを確実に実践できるよう、事前に必要な準備を整えています。

患者さんの日々の自己管理と医師による多角的な評価をつなぐ心不全治療の循環

関連ページ

心不全

心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなる状態です。軽い動作でも息切れを感じることがあります。

詳しく見る

気になる症状がある方へ

気になる症状は一時的なものもありますが、心臓や血管、生活習慣病などが関係している場合もあります。
症状が続く場合や、不安を感じる場合は、お気軽にご相談ください。

↑